追悼

このたびの香川元太郎先生のご逝去に際し、心よりお悔やみ申し上げます。

掛川城では、今年の4月27日から6月2日の期間におきまして天守閣開門30周年記念『香川元太郎城郭絵画展』を開催いたしました。

香川先生の緻密で美しい復元絵画作品の中から50点をお借りし、掛川城二の丸御殿、二の丸美術館にて展示をいたしました。

お借りした作品の中には、徳川家康が今川氏真擁する掛川城と対峙する戦況を描いた「家康の掛川城攻め」や、武田軍と徳川軍が遠江支配の要所として奪い合った「高天神城」など、掛川城や掛川市にとって深く関わりのある事象を扱った作品もあり、来場された方は興味深く作品に見入っていました。

展示期間中の5月4日には香川元太郎先生ご本人にご来城いただき、イベントを行っていただきました。ギャラリートークイベントではご自身の作品について時間を惜しまずひとつひとつご解説くださり、また参加者からの質問にもご丁寧にわかりやすく回答してくださいました。二の丸美術館でのトークショーでは作品の制作過程を写真と資料を用いてお話しいただきました。サイン会でのファンの皆様との交流でも、お一人ずつにこやかにお話をされていた様子が印象に残っています。

先生のその優しく誠実なお人柄は会場の雰囲気を優しく包み込み、当日のイベントは最初から最後まで和やかでした。当日の先生の笑顔は今でも忘れることはできません。

香川先生は「また掛川城に来ます」と言ってくださいました。それは叶うことはなくなってしまいましたが、掛川城の天守閣木造復元から30年の記念の年に、香川先生の作品を二の丸御殿にて展示させていただけたこと、また多くのお客様に香川先生の作品をご覧いただけたことは大変ありがたく、感謝しかありません。

香川先生、ありがとうございました。

香川元太郎先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。

掛川城公園管理事務所