天正18年、家康が領地を関東へ移したあとに
建てられた天守
掛川城の天守閣は、3層構造の外観ながら、内装は4階建てになっています。6間×5間(約12m×10m)の天守閣本体は決して大きいものではありませんが、東西に張り出し部を設け、入口に付櫓(つけやぐら)を設置するなど、外観を大きく、複雑に見せています。
1階、2階に比べて4階の望楼部が極端に小さいのは、殿舎の上に物見のための望楼を載せた出現期の天守の名残といえます。白漆喰塗り籠めの真っ白な外容は京都聚楽第の建物に、また黒塗りの廻縁・高欄は大坂城天守にならったと考えられています。